カリブ海に1週間クルーズ行ってきました。世界最大の船のAllure of the Seasは圧倒的な大きさでサンダルで歩いたら擦れて足が痛くなるレベルでした。バハマとかは行ったけど、パスポートの提示を求められることは少なく、アメリカ入国で税関書類は書くけど入国スタンプは押されないし、国内旅行の延長扱いでI-94ステータスの更新にはならない(Customs and Border Protectionの窓口で確認済み)のでアメリカ滞在者は要注意ですよ。
帰ってきたらいつの間にか都知事選が終わっていたり、オリンピックが始まっていたり(クルーズ船の中のスポーツバーで放送してたのはスーパーボールとXGameとNBAぐらいなので知らなかった)していたのと、なんか東京の食事に関するブログの記事が話題になってました。
まあ東京圏の人数とWikipedia?に書かれていたのは東京+横浜で、中本は大宮とか北の方にはあったけど南はあまりなくてちょっと偏りがあるので厳密なカウントではないけど、だいたいのオーダーはこんなもんかと思います。
東京はでかいので、人口比を計算すると、他の町の方が圧倒的だったりすることがよくあります。「とちぎRuby、人口比でいったら東京の勉強会よりも圧倒的に多いじゃん」みたいな話をしたこともありましたね。10数人参加だと、毎月Ruby Kaigiクラスの勉強会を開催しているイメージですよ。あと、「一見さん相手だけでも生き残れる」というのは、観光地の鎌倉がそんな感じ、という話を聞いたことがあります。とにかくランチを食べる場所が少ないし、観光客相手の店が多くてみんな高い、と鎌倉で仕事をされていたカヤックさんの方が言われてました。鎌倉に比べたら東京は選択肢が桁違いに多い気がします。
サン・フランシスコにいると、ちょっとしたレストランでも結構かかります。ただでさえ高いうえに、チップ+税金(外税)で3割近く額面から増えることもザラ。チップも、税金を抜いた額の15%程度で、ランチは10%、みたいな日本語の説明はあるけど、15〜20%、社交的なイケメンはざっと切り上げてさらに気前よくチップを置いとく、みたいな感じで15%は最低限という感じですね。
結果、夫婦でハンバーガーとかラーメンのお店で$35とかいっちゃいますし、「レストラン」という感じのところだと最低で$50ぐらいのイメージ。ランチでしゃぶしゃぶ(SHABUWAY)で$25、ベトナム料理のフォーとかアジア料理の店で$20-$25というのが安いクラスかなぁ。それ以下だとマクドナルドとかバーガーキングみたいな安い上にチップがいらない店とか、ホットドッグ等の食事というかスナックみたいなものしかないですね。コストで考えれば東京の方が1000円以下ぐらいのところで選択肢がいろいろあって、良い所が多いと思います。モールのフードコートも日本の方が値段的に良い気がします。Panda ExpressとかモンゴリアンBBQがかろうじて勝負できるぐらいかな、と。サン・フランシスコとかストレスがマッハな気がするので、食事事情が大事という人はあまり来ないほうがいいかもしれません。カレー10食連続でもOKという程度の意識の低い僕には問題ないですが。
他人の味覚という世界
味覚って言葉で正確に伝えるのって不可能なんですよね。冷たい水の味がどう感じるのか、言葉で説明できる人はおそらくいない。あくまでも、同じようなバックグラウンドを持つ人が「この料理みたいな味」とか相対的に伝えるか、ワインのソムリエみたいなイメージで伝えるしかなくて、直接的に表現するのはできない。で、バックグラウンドが違うとおそらく会話ができない。優劣をきちんとつけるのも難しいし、一方的な相手のDisにしかなりようがない気がします。
このことは過去Twitterで何度か書いているので僕を知っている人は何回か見聞きしているかもしれませんが、以前、インドの人(ヒンズー教で牛がダメ、週に一回すべての肉類がダメ)とパキスタンの人(イスラム教で豚がダメ)を一緒にランチに連れて行くという過酷なミッションを遂行したことがありますが、その時は「まぁ豆腐のコース料理の店なら肉使ってないから大丈夫でしょ」と思って連れて行ったら、「味がない」というようなことを言われました。チリに行った元同僚も「チリは塩味が濃い」と言っていたし、基準となる塩味のレベルですら地域差が結構あって、「すべての人が満足」という味を作るのは不可能なんだな、と悟ったできごとでした。
で、日本の人は「ダシが大事」と言いますが、しばらくアメリカにいてから久しぶりに日本に戻ると違和感を感じるものがあります。うまみ調味料(グルタミン酸ナトリウム)というやつです。日本ではいろんなところでうま味調味料がすごい使われています。アメリカではグルタミン酸ナトリウムはあまり健康に良くないものという扱いで、No MSGとか書かれている店とか食品がたくさん目につきます。うまく消化できない人に体調不良になることもあります。アメリカでは塩と脂が多少多くてもうまみ調味料を使うことはないので、料理がシンプルな味に感じます。まぁ、塩分がちょっと多いアメリカのSalt & Vinegarのポテチと、うま味調味料が効いていて塩分が多少少ないカルビーのコンソメパンチのどちらが体に悪いかというとどっちも良くない気はしますが、ちょっと距離をおいてみると日本は「うまみ調味料依存症」だなぁ、と感じます。僕はSalt Vinegarのアメリカンポテチの方が好きですね。
あと、サン・フランシスコでありがたいのは、屋内の喫煙が禁止な点。日本の飲み屋とかの室内のタバコの臭いとか僕にはちょっとムリです。サン・フランシスコも外に出ればタバコとかマリファナとか臭ってくることもありますが、バーとかレストランで煙の匂いが一切しないのはうれしいです。
別の例をあげます。日本のスーパーにはさまざまな種類の醤油がおいてあります。出汁も、カツオからコンブから煮干しからいろいろあります。当然日本人でこれらの差を識別できる人はたくさんいます。で、一方のアメリカ。今朝近所のスーパーで撮ってきたんですが、アメリカには大量のバーベキューソースが売っています。同じ銘柄でも何種類も。日本人の僕にとっては、まだこれらの味の差がよくわからないです。「アメリカ人はバーベキューソースをかけてみんな同じ味にしてしまう」ということを言っている日本人もいます。でも、これだけ種類があるということは、アメリカ人にはこれらのソースの味の差が付けられるということです。
この「味覚の解像度の差」は結果として以下の2種類の判断につながります。
- 自分にはこの味の差がよく分かる。あいつらは「味がない」とか「違いがない」とか言いやがる。俺の方が味覚がすぐれている。
- あいつらはどれもこれも同じ味にして満足しやがる。あいつらの味覚は壊れている。俺のほうが味覚がすぐれている。
どちらも同じ結果になって、お互いに「俺のほうが優れいている」という考えを強化しあうことになります。最初にあげた水の味だって、状況次第でまったく「おいしさ」が変わりますよね。僕は料理番組の中では、難しい顔して食べてる料理の鉄人よりも、幸せいっぱいに食事を楽しんでいるでぶやの方が好きです。
トイプー教のススメ
まとめると:
- 東京はまだマシな方。サン・フランシスコにも中本と丸亀製麺欲しい。
- 味覚をお互いに比較するのは難しいし、生産的な会話にならない。
とりあえず、味覚で相手をDisった記憶が一度でもある人は、下記の言葉を胸に刻んで、町中でトイプーを見かけるたびに手を合わせて拝むようにすれば、不要な争いはなくなるんじゃないでしょうかね。
そういえば、Twitterのアカウントを増やしました。日本語のツイートは今後@shibu_jpになります。
posted by @shibukawa at 04:19
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