大学生の時に、当時日本XPユーザグループの代表だった長瀬嘉秀さんに声をかけていただいて翔泳社から出た本に関わって以来、約10年で10冊を突破しました。その間、本田技術研究所に就職して宇都宮に引越したり、DeNAに転職して東京に戻ってきたり、結婚したり、子会社のngmocoに転籍となってサンフランシスコに引越ししたり、とても色々ありました。ここ数カ月はちょっと忙しくて、まともにブログも書けませんでしたが、この数カ月の間にも何冊か本が出版されました。筆が遅くなりましたが、関係者の皆さんに感謝申し上げたいとおもいます。
ちなみに、このエントリーで紹介した以外の書籍は下記の通りです。
- アート・オブ・コミュニティ ―「貢献したい気持ち」を繋げて成果を導くには
- ポモドーロ・テクニック入門
- 電子出版文書フォーマット技術動向調査報告書2010-2011
- エキスパートPythonプログラミング
- IT業界を楽しく生き抜くための「つまみぐい勉強法」
- 実践eXtremeプログラミング
- アジャイルソフトウェア開発スクラム
- Xtreme Programmingテスト技法―xUnitではじめる実践XPプログラミング
100人のプロが選んだソフトウェア開発の名著
翔泳社さんの100人のプロが選んだソフトウェア開発の名著 君のために選んだ1冊企画に参加させていただきました。書いた量は全体の1/100です。紹介したのは、C++の設計と進化です。
この本は言語の歴史と、その歴史の過程の中でどのように意思決定がされて、現在の形式になっていったのかが書かれています。書いた内容が2ページなので、概略を書こうとしてしまうと、ブログにも全部書けちゃうので悩ましいのですが、「自分の道具をきちんと知ろう。正確に、詳しく、発展の過程も」といったことが訴えたかったことです。C++と銘打ってありますが、この本で書かれているような過程を、自分の好きな言語についてもなぞってみると、多くのことが学べるとおもいます。
オブジェクト指向JavaScript
技術書の翻訳で有名な水野さんと一緒に、オブジェクト指向JavaScriptの翻訳をしました。直球なタイトルどおりの内容です。原著が少し古く、ECMA Script 5ではなく3対応だったりしますが、3と5で変わるようなチャラい内容ではなく、JavaScriptの基本骨格を丁寧に紹介した本です。
JavaScript関連はブラウザ、サーバ、クライアントとさまざまな分野に広がりつつありますし、必要な知識やコードの構成は土台によってもいろいろ設計が変わってきます。最大公約数的なコアの知識を本書で得ながら、それぞれ自分が特化したい分野に関しては、ウェブサイトや技術評論社の雑誌などで最新情報をおっかける、みたいな読み方が良いと思います。HTML5だBackbone.jsだnode.jsだMeteorだ、といったキラキラした技術に触る際に、ぜひご一緒にどうぞ。「JavaScriptのDISりなら俺に任せろバリバリ〜」という発言とHTML 5で有名な、紀平さんも下記のように紹介してくれています。
この厚さで言語仕様、コーディングパターン、ブラウザ実装まで踏み込むのは相当無理があると思うけれど、全体的に広く浅く、さほど間違ったことを書かずに、かつ危険なポイントは正確に注意していて、初学者には間違いなくおすすめ。JavaScriptの最初の1冊に。訳は最高!(ここだけステマ)
— 紀平拓男(Takuo Kihira) (@tkihira) July 22, 2012
Mobageを支える技術 ~ソーシャルゲームの舞台裏~
DeNAのメンバーとして、Mobageを支える技術 ~ソーシャルゲームの舞台裏~ (WEB+DB PRESS plus)の執筆に参加しました。
どちらかというと、Mobageに(生活を)支えてもらっている技術な今日この頃ですが、本書の4章のngCore関連の章を書きました。ngCore関連はこの本が出てからの数カ月でもいろいろバージョンアップし、GUIの統合開発環境のngCore Builderを使ってソースコードデバッグができるようになったり(ないしょだけど、node.jsのV8エンジンのデバッグもできるらしいですよ)、様々な統計情報がリアルタイムにグラフで見られるようになったり、エンジンも高速化されたり、動画再生が追加されたり、高速なパーティクルエンジンが入ったりと機能追加がされていたりもします。そんなどんどん良くなっていく最中のスナップショット的な感じの章になっています。
また、データベースの章なども充実な内容になっており、発売後に社内のSNSで「えー、こんなことまで書いてしまって・・・」みたいな声が上がるほどなのですごいと思います(僕は専門じゃないので他と比較とかはできないですが)。みんなで勢い良く書いた内容です。楽しんでいただければ幸いです。