アジャイルな見積りと計画づくりを読んでいます。元々アジャイルとかを追っかけていると、知っている内容もそれなりにあったりはしますが、見積もりという、発注側と開発側の境界線上の業務に沿った話ですので、ぜひともビジネス側の人にもアジャイルを知ってもらいたい!というときに一押しできる本だと思います。
この本にはバーンダウンチャートの書き方が2種類でてきます。僕がかつて翻訳したことのあるScrum本で紹介されていたこともあって、バーンダウンチャートにはちょっと懐かしい気持ちもあったりはしますが、2種類目のやつが僕が考えていた改良策とちょっと違う内容だったので、ここのブログで僕のアイディアを公開します。本当はこれだけでライトニングトークスできるネタではありますが、さらっと公開します。僕の場合はLTネタはもっと濃いモノが期待されていそうなので。

作成するのはこれ。株式のろうそくの足チャートを利用して、タスクの増加分、タスクの消化分も一緒に表示したグラフになります。Excelの準備はよろしいでしょうか?Google Spreadsheetは・・・ムリそうかなぁ。本当はこういう見える化ツールこそ、オンラインでできるといいんですけどね。あ、ろうそくの足なので「キャンドル・バーンダウンチャート」と適当な名前にしていますが、もっといい名前があったら教えて下さい。

まずはデータを用意します。データとして用意するのは、総タスク数と、完了したタスク数です。数式を使って下記の項目を用意します。
- タスク数の前日との差分の列(E)を作ります。(E5=C5-C4みたいに)。一番上の列は数字のゼロを入れておきます。
- 同様に完了したタスク数の前日との差分の列(F)を作ります。(F5=D5-D4)
- 残りタスクの列(I)を作ります。(I4=C4-D4)
- タスク増加量の列を作ります。(G4=I4+E4)
- ベロシティの列を作ります。(H4=I4-F4)
注意点としては、増加分、ベロシティ、残タスクの3つはこの順番に並ぶように配置することです。あ、僕の表だとわかりやすさのために差分の2項目も独立した項目にしていますが、別に一気に書いてしまってもかまいません。次に日付、増加量、ベロシティ、残タスクの列を選択し、グラフウィザードを使って株式チャートを選択して作ります。

グラフができたら残タスクの点の上にマウスカーソルを置いて、「系列"残タスク"要素」とポップアップが出たら、右クリックをして書式設定を選択して、「線なし」になっているのを変更して折れ線グラフを出します。Excel2002でも2007でも同じ操作で出せます。

後はお好きなように見た目を修正して完成です。あ、このグラフは僕のThe History of Pythonの翻訳のグラフです。4/27以降のデータは固定値を入れているので見た目がおかしいですが、お気になさらず。

Excelでやっている欠点としては、増加分と減少分の色が変えられないとかがあるので、「終わらないからスコープを変更して、残りタスク数を調整しました」というのがうまく表現できません。チームで使う場合は、こういうグラフを作成するウェブサービスを作るとか、手書きで大きく壁に書き出すとか、そういう風にした方がいいかも。
最後に、この作業を自動化します。グラフの空いたところを右クリックして、「グラフの種類(Y)...」を選択します。ダイアログが出たら、「ユーザー設定」タブを選択します。左下のラジオボタンから「ユーザー定義(U)」を選択して、左下に出てくる、「追加(A...」ボタンを押して、バーンダウンチャートなど、適当に名前を設定して保存します。これで次回からはパッと作れますよね。