2009年04月05日

リセットボタンを仕事に取り入れよう


taken by
patrick h. lauke

電脳世界を見下した言い方をするときに使われるたとえの一つが「リセットボタン」。リセットボタンを押せば死んでも復活するから、生まれ変わりを信じている人がいるとか、命を粗末にするとか。だけど、それはゲームをしない人の意見です。間違いありません。リセットボタンを押したことがある人ならば、当然実感していることですが、リセットボタンを押すと失うモノが一つあります。それは時間。リセットを押す前にゲームのコントローラーを通じて注入してきた魂と努力と根性、そしてそれに費やした時間が失われるのである!!!(島本和彦風に読んで下さい)

時間というのは金持ちでも、人格者でも、誰でも一週間で168時間。増やすことも減らすことも能わず。そして寿命ということを考えると、時間をかけて何かをするということは、命を削って何かをするということ(確かマイミクのどなたかが日記に書かれていた)。つまり、その方が命を削ってスイーツを食べるように、リセットボタンを押すプレイヤーは命を削ってゲームをしているということです。

グレゴリー・ベイトソンは部屋の片づけから生命の進化まで、すべてを学習するシステムとして分析をしています。リセットボタンを押すことは、一つの状況を多角的にトライ&エラーをして、その中での最大の期待値を持つ結果を得るためのスパイラル型学習プロセスと言えます。クルマの開発でCAEで衝突の強度などを調べるように、現物を消費せずに学習を積み重ねていくことができます。これはゲームに限らず、コンピュータ一般のメリットですが。

子供時代にキッザニアみたいな楽しげな施設で遊ぶ^H^H学習することができなかった我々世代ですが、ゲームはいろんなシチュエーションでのリスクコントロール、最適値の調整、反射神経、視力、心理戦などを体験するための低価格シミュレーションエンジニアリング環境と呼べるわけで、その中での学習効果を考えると、リセットの有無を論じることの無意味さがご理解いただけると思います。ゲーム外ではストリートファイトをしつつ、市長をして、タクシー運転手をして、町中をスプレーで落書きしまくって、竜の背中に乗って、町中を音速でかけぬけつつ、日本と地球と宇宙を救うなんてことはまずムリですよね。そもそも、時間を消耗していることに気づかず「リセットを押せばすべて元通りになる」とか言っている時点で自分の命(時間)の大切さについて知らない子だと思うので、そっと教えてあげた方がいいと思います。高橋名人が言われているように、やはりゲームは一日一時間にすべきです。

リセットボタン=時間と失敗をトレードするシステム

と考えれば、リセットボタンを積極的に仕事の中に取り入れるのも可能になります。

  • 「とりあえず1週間やってもらって、その後続けるか(リセットボタンを押すか)どうかはその後に判断しようか。」
  • 「1ヶ月間時間があるから、どれが最適か、3〜4パターン検証してみようか」

みたいな感じで、

  • リセットボタンを押せるように準備しておく
  • いざというときのリセットボタンを用意しておいてあげる

とかね。リセットボタンを用意することで、難易度の高いモノは、時間と引き替えで失敗のリスクを下げることが可能に。また、ランダムな不確定要素がからむ場合も、トライアルの回数を上げておけば、望む形に落ち着かせる可能性もあがります。逆に時間がなければなるべくリセットボタンを発動しないようにレベル上げをきちんとして、負けないようにする、というのもゲームのメタファーからの学びです。

posted by @shibukawa at 16:14 | Comment(15) | TrackBack(0) | ライフハック はてなブックマーク - リセットボタンを仕事に取り入れよう
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