![[ランチェスター戦略学会第一回研究会]会場の明治大学](http://farm4.static.flickr.com/3156/3056373368_a23290a576.jpg)
明治大学の中に入るのは初めてかな?きれいな講義室で第一回研究会がありました。いろんな分野の先生や専門家が、それぞれの立場でランチェスター経営を多角的に語る、という感じでした。ランチェスター戦略を簡単にまとめると、シェアの差を競争力の差と考え、市場のカテゴライズなどの手法を使い、いかに安定した経営を築くかという経営手法です。戦争の時の戦術論を出発点として、日本の田岡さん、斧田さんという方々の尽力でビジネスの手法として開花したそうです。当日は斧田さん本人と、田岡さんの奥様もいらっしゃってました。
![[ランチェスター戦略学会第一回研究会]マインドマップ 1/4](http://farm4.static.flickr.com/3290/3070593209_18886f082c.jpg)
まずは明治大学の上原先生の講義。大学の講義っぽくて懐かしい感じです。4つのマーケティングに使える基礎的な理論(経済、ゲーム理論、市場細分、競争地位)の発展の簡単な経緯とランチェスター戦略の結びつきについて簡単にまとめられ、今後のランチェスター戦略の課題(多重間競争、市場創造)を提示されてました。本を読んだときは突然変異的な理論かと思ったら、今までの学問の発展の上に成り立っている、襟元のしっかりした論理だったんですね。
次は立教大学の福田先生。いろいろな権威の人が色々言っているけど、その理論はもう昔から田岡理論の中にうたわれているよ、という話。なるほど、と思った話は、ランチェスター戦略は「生き残りが目的」で、市場シェアはそのための手段ですよ、というお話と、「売れる商品を出したら、かならずフォロアーが登場するので競争が始まる。競争を想定するのが大事」という話です。あとは「危機管理の危機は管理できないモノ」というあたりかな。
![[ランチェスター戦略学会第一回研究会]発表の様子](http://farm4.static.flickr.com/3230/3056376580_e8b5e1419d.jpg)
斧田さんのお話もありました。ランチェスター経営前夜の高野山での話など、科学がまさに芽吹く瞬間のお話が聞けました。大学時代にもっとこういう話が聞きたかったな。
次は福永さん。僕がこの学会に参加したのも、福永さんのMLのおかげでした。実際の電気店のケースなどを引き合いにしながら、今までのNPOでの勉強会の活動報告、といった感じでした。質と量、まずは質で負けたらダメです、とかシェアが高すぎるとかえって新規参入や代替を促進したり、自社グループの中での共食いが増えるなど、実際のビジネスの場面が想像できるような話が多かったです。
![[ランチェスター戦略学会第一回研究会]マインドマップ 2/4](http://farm4.static.flickr.com/3275/3070597361_f7456c8245.jpg)
その次は青学?の小林さんのブランド論。ランチェスターというか「競争」というアスペクトでのブランドの役割のお話でした。今のブランドはポジション表明なんだ、とか、ブランド視点での市場というもののとらえ方とか、こちらも今までと違う視点で面白かったです。QAではマインドシェアや市場の分け方など、数値的な評価の難しいところをかいま見ました。
![[ランチェスター戦略学会第一回研究会]マインドマップ 3/4](http://farm4.static.flickr.com/3226/3070600793_aa3587c6a2_m.jpg)
![[ランチェスター戦略学会第一回研究会]マインドマップ 4/4](http://farm4.static.flickr.com/3277/3070605087_794565a6a6_m.jpg)
最後はパネルディスカッション。「競争」がテーマだったんですが、「哲学」なども含めて、色んな話が聞けました。競争ではあるけど、競争相手を潰すのではなく、お客様の心をつかむのが大事、というのが共通項かな?そのためには倫理観が求められるし、企業哲学といえば経営者の子供のころからの世界観が反映されるんだ、などなど。競争相手も含めて生き残り続けるには?という競争を超えたところを考えていく、そういう学会になっていくのかなぁ、と感じました。
![[ランチェスター戦略学会第一回研究会]パネル](http://farm4.static.flickr.com/3279/3056380228_30976f34f1.jpg)
関係ないけど、ピタゴラスイッチのペインティとおじいさんのお話は何度見てもいいお話だ。