フューチャーアーキテクト裏アドベントカレンダーのエントリーです。9月から、DeNAからフューチャーアーキテクトに転職してお仕事しております。どちらかというとネットで話題になるのはSIerからWeb系ばかりなので、それとは逆ですね。Vulsで有名な神戸さんに声をかけていただいて、一度飲み屋で焼き鳥食べながらお話をして「次は役員呼びますわ」と言われて、今の上司の宮原洋祐さんを紹介されて焼肉を食べて、「次は会長紹介しますわ」と言われて、創業者で会長の金丸さんと面談があって「うちにおいでよ」という感じで、「次転職する時はクイズみたいなの楽しみだなぁ」と期待していたものもなく、1時間の面談でOKが出てしまい、他の会社も受けることなく決まりました。人事の方も「初めてのケース」と言われてました。
なぜフューチャーを選んだのか
一応、転職エージェントに何回か会ってみたりもしたものの、なかなかいいなと思える案件がありませんでした。B2Bで経験をしっかりと積みたいと思っていたのですが(おそらくエージェントへのキックバックが大きいと思われる)ウェブ系の会社とかが多く、B2Bの会社の紹介はありませんでした。自分で外資系のところに英語のレジュメを送ったりもしたのですが、日本国内だとセールスエンジニア的なものが多く、中の方も色々探してくれたのですが、Job Descriptionとマッチするのは本国にしかない、みたいな感じでした。社内SE業だとなかなか合わないんですよね。本を書いたというのも外資系だと別にプラスにならないですし。英語のレジュメを添削してくれた方々、某社のMさん、Fさん、結果は出せませんでしたが、その節は大変ありがとうございました。
B2Bの会社と一口にいってもいろいろあります。企業向けのSaaSみたいなのもあります。が、コンサルをして業務のグランドデザインをして、実装も自社で行うSIerがいいな、と思っていました。きちんとお客様のところに入って業務改善をやりたいし、下請けもつまらないですし、でもコードで話がしたい。そこにバッチリ当てはまったのが一番重要なポイントでした。実際、入社前に話をした人たちや、同じプロジェクトになった人たちはみんなスキルも熱意も高く、入社1−2年目の人たちも、僕が同い年だったときよりもよっぽど有能な感じですし。僕の知らないこともたくさんあります。もちろん、Web系よりも堅いところもありますが、楽しく仕事しています。
後は個人的な趣向ですが、前職の入社時に南場さんが言われていた「会社は黒字を維持してきちんと税金を納めるのが大切。社会資本の力を借りられるお陰で会社が経営できているので、社会にお返しをしないといけない」という理念がシンプルにいいなと思っていたので、きちんと黒字を出しているところがいいな、というのもありました。そういう意味では新人をきちんと取って教育しているというのもそうですね。社会的な持続可能性にコミットしているところですね。
もちろん、転職といえば待遇も動機ではありますが、神戸さんから「渋川さんがこんな給料安いなんて怒りを感じる」と言っていただき、オファー面談のときも「前職の給料は弊社の基準と差が大きいので参考にしませんでした」と言っていただきました。といっても、ボーナスの割合が大きくて、月々は変わらないので生活レベルは変わらないです。寿司はくら寿司です。廻り続けています。あと、出社時間は比較的遅めにさせてもらっているので、子供を幼稚園に送ってから、というDeNAのときにやっていたことも継続できています。
なぜB2Bにこだわったのか
一言で言えば、前職、前々職が楽しかったからです。どちらも社内SE的な立ち回りをしていました。自動車の車体やら樹脂のCADのアドオンだったり、電装系のCADだったり、それらの周辺システムだったり、ゲームのライブラリやミドルウェアだったり、サーバーサイドだったり、運用改善の入力補助ツールだったり、マスターデータの変換ツールだったり、目の前にいるユーザーさんのためにやる仕事はそれはそれでおもしろかったのですが、小さい仕事だと一人。たいてい片手で収まる人数での開発です。大きい仕事というと外部ベンダーさんにお願いして、その調整役みたいになってしまいます。社内SE業、FFRKチーム用語で言うと芝刈り業は楽しくても、仕事が小さくまとまってしまいます。せっかくなら、森林をガッと伐採してダムをガツン!と作るような仕事がしたいなって思っていました。なのでSIerです。
もうひとつは、pyspa仲間で受託開発とかSIerやっている人たちの話を聞いて、いろんな業務ドメインに関われるのはうらやましいなって思っていました。事業会社やWeb系だと、どうしても自社のビジネスの範囲で仕事のドメインが決まってしまいます。もちろん、それも悪くはないですし、ずっとそうでした。タイミングがあえば社内システム刷新で大きな仕事もあります。最近は大々的に募集して自社開発をしようとしている事業会社も増えてきていますので、面白い案件に入れるチャンスはあると思います。今回はフューチャーに決まるのが想像以上に早かったし、探していた条件とバッチリ合っていたので、他の会社はあまり検討もしませんでしたが。
SIerだと技術が古くて・・・みたいな話が話題になることが多いですが、実際はそんなに長くない期間でいろんな案件を回していきますし、その時々で最適な技術スタックでガンガン作っている、というのが入ってみてわかったことです。まあすべての会社がそうではないと思いますが、自社サービスでも一度当たると、古いコードがずーっと残って・・・というのもありえるし、大規模サービスでも、インフラ部隊ががんばってくれちゃって、SQLのjoin禁止以外に大規模を実感する開発があんまりない・・・みたいなのもありえますし、それと比べたら、すでにいろいろな体験をさせていただいて、日々勉強して追いつかなきゃ、という感じです。もちろん、大規模公官庁向け案件とか完成後数年は寝かせてから実稼働みたいな世界もあるので、全てがそうとはいえませんが・・・開発力だけじゃなくて、社会人力も日々鍛えられています。
SIerといえばスーツ
「プログラマー」「スーツ」で検索すると、「スーツ着用の会社は避けるべき」みたいな検索結果ばかりが出てくる今日このごろですが、入社以来ずっとスーツで通っています。別に自社にいるときはスーツ必須じゃないし、スーツ来てない人も多いです。客先がOKなら客先もスーツじゃなくてもいいです。
入社のときのドレスコードがわからずとりあえずスーツを買っていったのですが、最近のスーツは快適ですね!アオキの洗えるスーツ、ドライメッシュ素材の干すだけでいいノンアイロンワイシャツ、ユニクロのエアリズム下着。冬はモンベルのジオラインの下着。ジーパンTシャツよりもよっぽど快適で、暑がりで12月でも昼間はTシャツだったりするぐらいの僕でも大丈夫。何より毎日考えなくてもいいので楽。採用ページ用に写真を撮られた時に「ビジネスカジュアルで!」と言われたのですが、ビジネスカジュアルとか逆に難しいです。あ、でも辛いラーメンとか食べる時はちょっと気を使います。
辛いラーメンといえばDeNAには、ヒカリエから地下におりてずっと地下を通ると、雨に濡れずに中本渋谷店に行けるという最強の福利厚生がありまして、かなりヘビーに利用させていただいていましたので、そこのところを心配される方も多いと思います。北極は2倍とか3倍とかも選べて、最大の10倍もクリア済みです。中本はなくても、隣の五反田駅にはラーメン凪があって、30辛MAXにすると満足のできる辛さなので、今のところそれでなんとかなっています。トップ写真はそれです。といっても毎日はいかないですけどね。大抵はおにやんまです。
最後は運
転職体験記とかいろいろネットにあっても、その通りにやったら同じ体験が得られるものではないですよね。いい会社に入っても配属ガチャはありますし、上司ガチャもあります。会社に成長させてもらおう、勉強させてもらおう、みたいな期待を持ってしまうと、運良く自分の期待するチャンスにヒットしないと満足できなくなってしまいます。
会社には仕事とチャレンジ(東芝的な意味ではないです)さえあればいいと思ってます。もちろん、なんか尖ったスキルがある人であればそれでレバレッジするのは当然ですが、僕はジェネラリストで、スペシャリストと名乗れるスキルはないです。ただ、同じスライムをやっつけても、仕事への取り組み方によって経験値が2な人も、200な人もいるというのがゲームと違う世界なので、積極的に仕事に関わって、さらに自分の芸風を広げたいなって思っています。趣味でウェブフロントエンドの本を書いたら、後からそれを見てそれ系の仕事が降ってくるとかは前職でもありました。良い職場であればあるほど、とりあえず道は自分で拓けばいいという思いは忘れずにいたいです。たまたま勉強できるような仕事だったとしても、もともと勉強しておけば、さらに良いパフォーマンスを出せたはずですし。
振り返ってみると、前職でも、前々職でも運は良かった気がします。配属運も上司運も同僚運も。とくに、最近はSNSとかのお陰で、やめたあとも変わらず繋がっていられますし。実際に飲みに行ったりとかも前と変わらず、あるいは退職前にはつながってない人とさらに繋がったりもあります。そんな感じで、あまり以前よりも退職した!みたいな心の区切りとかもあまりなくて、部署が変わった+アルファぐらいの気持ちではあります。今週末納車される車は前々職のホンダのオデッセイハイブリッドだし、野球はベイスターズ応援しますし。自分にとっては断続的なステップではないという気持ちです。