XP祭り2015に参加してきました。スタッフの方々お疲れ様でした。今回は、あまり外に情報が出てくることがないと思われる、社内SE業で成果を出すために実践してきたことを発表してきました。
前のブログのエントリーでも書きましたが、今回考えさせられたのが岩切さんの発表の「在庫切れのメカニズムの原因となる事象を把握していたのが、社内の情報部門の人間だけだった」ということです。また、その後の質疑でも、「金融系もそうだった」という話が出ました。ここで説明したいと思っていたのが「業務はどんどん狭く深くなる」ということですが、内容が膨れてきたので前のエントリーに分けました。
だいたいビジネス書とかで語られているような仕事効率の基本原則は、同じ時間で成果を上げるためには、儲かる部分にフォーカスして儲からない部分は削るということです。時間あたりのビジネスの効率があがれば、忙しさを抑えてインカムも増えてハッピー、歩合制の仕事であれば、空いた時間でさらに多くの仕事をこなせて2倍美味しい、というストーリーです。実際には、サラリーマンだと後者のインセンティブはなかったりもしますが、だいたいそんな感じの内容が多いですよね。
儲からない部分を削るには、うるさいだけでお金を出さない客を切るということと、定型的な仕事は自動化/省力化するという主に2つの方法があります。省力化/自動化は脳の力をなるべく使わない(脳で酸素をムダに使わない)方法と言い換える方法がありますが、コンテキストスイッチを減らしたり、繰り返しのルーチンワークを効率化したり、情報の伝達のムダを減らすにはコンピュータが活用があります。企業としても利益率向上は存在理由に直結する部分なので、がんばる時間を設定したり、ITに投資したりして改善をします。分業を徹底的に行なって1つのタスクにフォーカスして成果をどんどん上げる、そして他の人との情報のやりとりは必要最低限にフィルタリングされて、余計な情報に煩わされることはない、という姿が理想型でしょう。
企業が意思を持ってそのような変革をしなかったとしても、仕事をする中でそのような方向への変革のフォースは常に発生しています。Aという仕事が得意な人と、Bという仕事が得意な人が同じチームにいれば、自然と分業されていきます。「相手を信頼して任せる」「現場に権限移譲」が成功の秘訣です。
このように業務内容が変わらないと想定しても、分業は進んでいくと考えられますが、競争力を保つためにより高度な仕事の仕組みを作り上げていったり、高度な商品の開発を行っていくと、仕事はどんどん深くなっていきますし、1人が面倒を見切れる範囲には限界があるので、その分対象は狭くなって専門化していきます。これは前回のエントリーで書いたことです。