2018年08月12日

Go言語で作るインタプリタの献本をいただきました

オライリー・ジャパンの最新のGo本のGo言語で作るインタプリタの献本をいただきました。ありがとうございます。

本書は海外では出版社を通して出版されていないWriting An Interpreter In Goの日本語版です。誤解している人がかなり多いので捕捉しておくと、オライリー・ジャパンの本の多くは、USオライリーの本ですが、たまに別の出版社の本の翻訳があったり、描き下ろしもあります。別の出版社だと有名なのは退屈なことはPythonにやらせようで、描き下ろしだとゼロから作るDeep Learningや、僕の書いたReal World HTTPとかがあります。

本書の翻訳はとても読みやすく、どんどん読み進めることができました。翻訳の設楽さん、お疲れ様でした。

言語を作りたい人、かつて作ろうとした人も

原著は「短いページ数で実用的な言語を実装する」というのを目標に書かれています。本書のサンプルのmonkeyはどこかで見たような要素が満載の、RubyのようなJavaScriptのような言語で、前置演算子や優先順位にきちんと対応した数式、変数、if文、関数、return文を持った言語です。型も、整数、bool、nullに対応しており、4章の拡張では組み込み関数、文字列型、配列、ハッシュも実装します。お気に入りの言語風の文法を実装したい!と思っても(例えばループとか)、十分に基礎が解説されているため、応用をするのはやりやすいと思います。

プログラミング言語の要素というのは単純な単方向グラフにならず、要素が巡回するので、いくらテスト駆動開発の達人だろうが、スモールステップで開発するのが難しいジャンルのアプリケーションです。この本は動くものをどんどんスモールステップで作っていくので、非常にストレスが少なく楽しく作れます。この本はテストコードを書き、インタプリタのコードを書くというのを交互に行っていきます。

僕も、かつてFlex/Bison本を読んで、実際に趣味でインタプリタを作ってみたり(Ruby on Pythonとか)、数式パーサ(Excelのセルの数式の)を作ったりしたことがありますが、途中でずっとテストがグリーンにならない期間をずっと過ごしたり、なかなか動かなくてヤキモキして、苦しみを乗り越えてようやく動く、みたいな感じでした。本書ではうまい具合に「ここはTODOを書いて雑な実装でまずはパスして、あとで戻ってきて修正しましょう」ということが書かれています。こういう設計の分解方法はボトムアップじゃなかなか到達できなくて、熟練の業なんだろうなって思います。かつてコンパイラやインタプリタの本を読んだことがある人にも、目からウロコだと思います。僕はウロコがいっぱい落ちました。

言語を作りたい以外の人にもおすすめ

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2017年12月31日

2017年に買ってよかったもの

オデッセイハイブリッド

今年、オデッセイハイブリッドを買いました。

シビックも良い車でしたが、子供三人の自転車をつもうとするとスペース的に無理なので、買い替えました。今度買い換えるときもハイブリッドにしよう、と思っていたのと、自動ブレーキは付けたいな、と思っていました。あと、2列目がベンチシートじゃないと、子供一人が三列目、ということになってしまうので、ベンチシートは最低限。ホンダだと3列シートの車は、フリードハイブリッド、ジェイドハイブリッド、ステップワゴンハイブリッド、オデッセイハイブリッドの4つあります。このうち、ステップワゴンはスパーダ仕様しかないので2列目はキャプテンシート。ジェイドも同様なので、この2車種は選択肢から外れます(ステップワゴンは契約直前に気づいてやめた)。フリードは三列目を使わない時にスペース効率が悪いので、オデッセイになりました。

自動運転は完全に自動というわけではなく、「この条件ならいける!」というのを判定して有効化してやる必要はありますが、めちゃ便利です。自動運転と一口にいっても、機能としては自動ブレーキ&前車追従自動アクセル、高速道路限定だけど自動ハンドル、の3つです。自動ブレーキは試したことないですが、本当に楽です。もちろん、一般道の微妙なケースで「もっと早くアクセル踏んで欲しい」とか思ったりはありますが、高速道路はすごく楽です。今は状況判断は人間がやりつつ、システムの癖を把握してボタンを押すので、それなりに熟練を要する装備です。

購入前はわからなかったこととしては、自動追従モードの設定可能な最高速度は135km/hです。もちろん、前車がその速度を出さないと出ないのですが、将来、新東名が120km/hになっても利用可能です。

自動運転以外にも、音が静かだし、音楽めちゃ聞けるし、重量1.5倍になったのに燃費変わらないし、ホンダでミニバンの最高級車種なだけあって内外装もしっかりしているし、ライトとか駐車時のサイドミラー操作とかいろんなものが自動だし、すごく良いです。

インラインスケートのフレーム

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2017年12月23日

ローンについて

これはPySpaアドベントカレンダー2017のエントリーです。

三年前に家、今月は車とローンをガシガシ組んだりしたのですが、お金を借りるということについて、まだまだ否定的な人がいたりするので、借りるということはどういうことなのかまとめてみます。 お金についての教育は日本にはないので、将来、子どもたちにお金について説明するための考えの整理でもあります。

特に、今は働き方改革という名の下に副業もできるようになってきました。去年ぐらいから自動車ローンも繰り上げ返済が可能になりましたし、残価設定ローンとの組み合わせで戦略の幅が広がったので、定期的に入る収入を当てにしたローンとくらべて、副業する人に優しくなっています。このあたりはお金を借りたことがある人も、そうじゃない人にも参考になるかなと思います。

お金を借りる==時間を買う

日本だと「お金を借りる」ことを蛇蝎のように嫌がる人、恐怖を覚える人が数多くいます。そもそも何のためにお金を借りるんでしょうか。 お金を借りると当然利子が発生します。現金をがっと貯めてから購入すれば利子の分お得です。お金を借りると損です。それでも借りるのは、時間を前倒しするためです。30年ローンで家を買わずに、お金が貯まるまで待ってから買うとすると、家を手に入れるころにはもう爺さん婆さんになっているでしょう(買うまでの賃貸も別にかかります)。ファミリーカーを買う頃には子供が独立して旅行にいくことはなかった、となるかもしれません。なるべく若い内に手に入れて、それを存分に楽しむというのがお金を借りる理由といえます。つまり、お金を払うのは時間を買うということになります。

長期間使うものであれば、借りて自分のものにすることでお金を節約するというのもあります。

例えば、うちでは毎週土曜、日曜はたいてい車ででかけますし、平日も子供の病院などでよく運転します。この前売ったシビックは10年で9万キロ弱です。この期間と距離走るのであれば、レンタカーにせよ、カーシェアにせよ、タクシーにせよ、買ってしまった方が安いですし、貸し借りの手続きや待つ時間も節約できます。

家を借りるのと買うのとどちらが得かという話はよく出てきますが、短期的に見れば買ってしまったほうが得なはずです。特に、数が少なくて流動性の低いファミリータイプの新し目の物件だと、賃貸と購入で月々の金額が2倍、もしくは面積が半分というのが東京圏では平均的な差でしょう。借りる金額には、修繕の予備費やら固定資産税(自分で住まないと高い)とかも上乗せされる上に、数%の不動産投資利回り等も載ってきます。貸し出す方も商売ですからね。うちは駅からは少しありますが、23区で上モノ80平米ちょっとで、土地も同じぐらいの駐車場付き一軒家で、ローン支払いは9万円台です。

大事なのは返済できること

お金を借りる、という行為にも種類がたくさんあります。それによって利率が大きく異なります

  • 目的を決めて借りる。返す見込みがあるものを借りる == 利率が低い
  • 目的が不特定 or/and 返す見込みの確認が少なく簡単に借りる == 利率が高い

これ以外にもベンチャーのファンド的なものとかもありますが、本稿ではそこは省略します。もちろん、これにとどまらずたくさん種類があります。

目的を決めて、なおかつ審査など返す見込みを確認するのが住宅ローンや自動車ローンなどです。住宅ローンは0.7%、自動車は1.9%とかでしょうか。2つ目はクレジットカードの分割やリボ払い、クレジットカードを使ったキャッシング(お金を借りる)、消費者金融などで、利率は15%とかにもなります。大きいですね。3番目のは僕は詳しくないので、省略します。

銀行などはお金を貸して利子をもらう商売です。返せない客にお金を貸すと銀行も損をしてしまうので、高リスクな分、利率があがります。 住宅や自動車の金額が大きなローンだと、支払い能力があるかどうかのチェックがあり、リスクのチェックを事前に行うためにその分利率が低くなっています。 なお、リスクチェックは所属会社とかで決まることも多いので、いくら年収が大きくても自営業だと審査が通らないことも数多くあります。 残酷ですが、大きな会社の所属して、転職前にローンを組むという話はそこから来ています。

クレジットカードも分割をせずに期日に間に合わせて支払えば利子はかかりませんが、その期日を過ぎれば「お金を借りている扱い」となって利子が発生します。分割払いやリボ払いがそうですね。クレジットカード会社は、クレジット払いの時の一定割合を手数料としますが、この利子も収益源です。リボ払いにすると年会費が安くなりますという案内がよく来ますよね。顧客獲得コスト(安くなる年会費)以上に収益が見込めるということでしょう。

基本的には短期間で返し切る前提でなければ借りない方が懸命でしょう。クレジットカードのキャッシングも、僕はやったことはないですが、海外で現金を下ろすときには便利(ただし、日本に帰ったら速攻で返すこと)とのことです。

大事な原則は「借りたら返す」ということです。クレジットカードも、クレジットのキャッシングも打ち出の小槌ではなくて、将来返さないといけないもの(返さないと利子が発生し続ける)ものです。返す見込みがないものは借りてはいけませんし、見込みがない支払いというのはたいてい、利率が極端に大きいものばかりのはずです。支払い能力を利子が超過すると、「払い過ぎた分を取り返す」みたいな広告が去年ぐらいはたくさんありましたが、払いすぎてない分 == 法定金利は当然支払わなければなりませんし、それも利率としてはかなりの額になります。

知人から聞いた嘘みたいなカード破産の話としては、リボ払いをして、その支払をクレジットカードのキャッシングを使って払う、というものがありました。 やばいですよね。鳥肌が立ちますよね。このヤバさが分からない人はこのエントリーを読んだとしてもお金を借りる系のものには手を出してはいけないです。

繰り上げ返済とローン戦略

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posted by @shibukawa at 10:59 | TrackBack(0) | 日記 はてなブックマーク - ローンについて

2017年12月15日

異文化理解力のメタ読書のススメ

ミスタービッグデータこと、しましうまちから異文化理解力という本を紹介してもらいました(しうまちは確か@d1ce_から教わったと言ってた気がします)。アマゾンのレビューの圧倒的な評価を見れば分かるように、とてもすばらしい本です。著者が数十年にわたって仕事で活動してきた内容の集大成であり、多くの国々の人々に対する調査の結果がこれでもか、と盛り込まれた本です。下調べの圧倒的な量からして、この本を書ける人はほとんどいない、というカテゴリーの本です。

この本は、国際的なチームの仕事のトラブルの原因として、受け手が期待するものと、話し手が期待する価値観の違いがあるとして、8つの領域に分けて詳しく説明しています。普通に読んでもとてもおもしろく、「ああそうだよね」と思うところもたくさんありました。ただ、この本を文字通りではなく、応用的に読むこともできます。本エントリーでは2つの視点を紹介します。

ちなみに、アマゾンのKindleの方には書籍紹介として、(なぜか)本を貶めるような説明(おそらくレビュー記事のタイトルで本文を読まないと真意は分かりません)もありますが、そんなことはありません。

  • 「残念ながら、日本人の8割にこのビジネス書はいらない。」 HONZ書評掲載で話題沸騰! (10/7、佐藤瑛人さん)
  • 「ビジネスで英語を必要とする人々は、この知識こそ必要だ。」 成毛眞さん(HONZ代表)推薦!

日本国内のカルチャーギャップについて考察するための武器

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2017年12月14日

DeNAからフューチャーアーキテクトに転職しました。

フューチャーアーキテクト裏アドベントカレンダーのエントリーです。9月から、DeNAからフューチャーアーキテクトに転職してお仕事しております。どちらかというとネットで話題になるのはSIerからWeb系ばかりなので、それとは逆ですね。Vulsで有名な神戸さんに声をかけていただいて、一度飲み屋で焼き鳥食べながらお話をして「次は役員呼びますわ」と言われて、今の上司の宮原洋祐さんを紹介されて焼肉を食べて、「次は会長紹介しますわ」と言われて、創業者で会長の金丸さんと面談があって「うちにおいでよ」という感じで、「次転職する時はクイズみたいなの楽しみだなぁ」と期待していたものもなく、1時間の面談でOKが出てしまい、他の会社も受けることなく決まりました。人事の方も「初めてのケース」と言われてました。

なぜフューチャーを選んだのか

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2017年11月11日

2桁億円分ぐらいの価値がある本:ソーシャルアプリプラットフォーム構築技法を読みました

ソーシャルアプリプラットフォーム構築技法――SNSからBOTまでITをコアに成長するというお金の匂いがすごくする本が技術評論社から出版されました。その筋の人には有名な、田中洋一郎さんの渾身の一冊です。

田中洋一郎さんはソーシャルプラットフォームに長年携わってきました。その数々の経験から生み出されたのがこの本書です。技術書のカテゴリーではありますが、ソースコードよりもソーシャルプラットフォームが備えるべき機能の概要設計およぼそのチーム編成やガバナンスが中心です。ちょっと上流な本です。とはいっても技術の部分で見てもなかなかの太さです。洋一郎さんさんGoogle API Expertという、今はもうない肩書のホルダーです。たしかOpenSocialのExpertで、それゆえに認可認証周りとかの説明が手厚くなっています。このあたりは規格を見ても「何のために?」がよくわからないのですが、「なぜこうしなければならないのか」「それを実現するにはこの規格を実行すればよい」というのがクリアに説明されています。

また、時代の流れにあわせて、スマホアプリのソーシャルネットワーク認証周りとかも、iOS/Androidに向けてそれぞれ書かれていますし、ハマりがちな落とし穴とか、注意すべき点とかもたくさん書かれています。また、近年話題にあがることが多いチャットをベースにしたソーシャルアプリであるBOT周りとかもいろいろ書かれています。インターネットに絡む技術のうち、何を使ってどうすればいいのかを照らす松明のような本です。

この本が一番すごいのは、やはりSNSを運営するための組織体系とか、利用規約などについて、事細かに書かれています。おそらく、長年の経験による積み重ねのベストプラクティスです。法務やサポートなども含めて、本にかかれているとおりに実践しようとすると、軽く20人とか30人以上の大所帯のチームが必要になります。どんなにコンパクトで必要最低限に作ろうとしても、軽く年間で億の単位で、しばらく継続すると2桁億はお金がかかるでしょう。それだけの経験を得ないと書けないような本です。つまいは2桁億円分の価値があるといえます。また、これだけお金がかかってもなぜ企業はSNSを作るのかというと、それによって大きな収入を得たいからです。この本も、そういうチームを組織しつつ、きちんと「お金をいただく」というところを逃げずに書いています。なかなかこれほどお金に真摯な技術書はなかなか珍しいかと思います。

(お金の面で)こんなに(完全な)実践が難しい本もなかなかないからといって、それ以外の人に無駄ということはありません。本書のターゲットであるソーシャルネットワークを作る人と、それに乗っかるアプリケーションを作る人では、人数比は1:9以上だと思いますが、前述の技術的なところの内容は後者の人にも十分に役に立ちます。いや、まじで認証周りの情報が整理されている点だけで元とったと思える本です。

もうちょっと田中さんの目線で解説がしてほしかった項目も少しあります。例えば、僕が知っている内容だと、モバゲーの簡単会員とかはちょっと特殊だけど「なるほどなぁ」という仕組みだったりします。後は、最終章のBOTのAPIだとSlackがウェブフックも、ストリームもサポートしつつ、OAuth2認証のアプリマーケットまで備えたりとかなかなかリッチなので誰かに詳しく説明してほしいなぁとちょうど思っていたところです。まあ全体からすれば小さい話ですし、後者もまだまだ変わる可能性があるので本で扱うのはちょっとむずかしいかな、という気もしています。

それ以上に少しこの本が損しているな、というポイントは「ソーシャル」という言葉がタイトルに入っていることなんじゃないかと知人が指摘していました。確かに「ソーシャル」という言葉を使う機会は相当減っているような気がします。確かにSNSの最初のSはソーシャルですが、もはや「SNS」という用語みたいになっています。本書で書かれているプラットフォームは、たとえばGitHubだったり、アプリマーケット全般にも有効な話ばかりです。SNSだとマインドシェア1位以外は生き残りが難しいレッドオーシャン、みたいな印象がありますが、「アプリマーケット」という別の領域でも活躍できる話ばかりです。

なお、この本はとてもきれいな(クリーン&読みやすい)日本語で書かれています。本文で丁寧に説明されていて、脚注などはありません。しかし、「◯◯をしてしまうとトラブルが発生したときに大変です」みたいな日本語の裏には、きっと表に出せないようないろいろな修羅な体験があったのではないかと想像に難くないです。ぜひとも、洋一郎さんが、人には言えない数々のトラブル事例とかを紹介してくれるディナーショーとかあるなら参加したいですね。そういうのを想像するだけでもなかなか楽しく読めます。

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2017年10月19日

ASCII.jpの連載「Goならわかるシステムプログラミング」がパワーアップして書籍化されます

Real World HTTPに引き続き今年2冊目の書籍が出版されます。ASCII.jpの連載をまとめて、加筆修正したものになります。最初は、連載をつなげて、はじめに、と次回予告を書き換えてつなげればOKという感じからスタートしましたが、章構成を書き換えたり、書き始めのときに「そのうち連載で触れる予定です」を「◯◯章で説明します」に書き換えたり、せっかくだから内容を追記しようとか考え始めたり、レビューアのメンバーが「これは並列・並行の結果であって原則とは違う」みたいな細かい定義のところまで指摘してくれて説明を大幅に書き換えたり、蓋を開けたら前から最後までかなり時間をかけて修正することになりました。せっかく転職で有給消化が一ヶ月あったのですが、この原稿の修正で一ヶ月がするっと溶けました。

11/16追記 Amazonでも販売がはじまっています!

大きな修正ポイントは次の通りです:

  • 連載の分量の関係で、同じテーマを何回かに分けていたのをまとめた
  • 並列処理の記事からチャネル関連を抜き出して、加筆を大幅に加えて独立した章に
  • タイマーやクロックについての章を追加
  • セキュリティについての章を追加
  • Go 1.9で追加されたもろもろを追加
  • 締切の一週間前に、連載で紹介したIntelliJ IDEAのCommunity版で、Goプラグインがダウンロードできなくなったというレビューの報告を受けて急遽Visual Studio Codeに差し替え
  • 高尾編集長の徹底的な修正で日本語が大幅に改善した
  • 雪だるまの絵が、妻の書いたフクロウに変わった

これ以外にも数多くの修正を加えています。紙の書籍にするにあたって、数多くの知人に協力してもらって、レビューしていただいたのですが、1ページにつき1件というペースに近い300件近い意見をいただきました。これは連載をしていたので、一度細かい所まで見て修正したので些細なミスはあまりないはず、というところからの出発でしたが、遠慮なく徹底的にみてくださったレビューアのお陰で、かなり改善されています。ASCII.jpの連載終了から440コミットありました。

元は、LLでウェブアプリケーションフレームワークを普段作っているけど、低レイヤーを学ぶチャンスがなかなかない人に向けて本を書くといいのではないか、とラムダノートの鹿野さんと雑談したところから始まった連載でした。Real World HTTPも通信の低レイヤーではありましたが、こちらはOSの方面の低レイヤーになります。C言語を使った、読む側にもそれなりの知識が必要とされる本はいくつもありましたが(とても良い本です!)、本書はそういう既存の本よりも読みやすい本が提供できたのではないか、と思っています。アプリケーションレイヤーの応用例もイメージでき、古い本では紹介されているけど、現実的にあまり使われていないものは省き、逆に最近のトピックに触れるといったことで違いを出しました。

販売計画

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2017年05月17日

「Real World HTTP」が出版されます!

昨年から書いていたReal World HTTPがAmazonのページに表示されるようになりました。最初にコミットしたのは昨年の8/1ですが、たぶん、その数ヶ月前から書き始めていたと思うので、ほぼ丸一年です。途中でASCII.jpのシステムプログラミングの連載が始まったり、Software DesignにSphinxについて寄稿したり、もう1つ別の翻訳の企画があったり、三女が7/4に生まれたり、なかなかハードな一年間でした。

なお、表紙は皆さんが知っているものとはちょっと違うのですが、系統的に一番近いのがハシビロコウさんらしく、和名もそれしかないそうです。狙っていたわけではなく、そもそも出版時期にはアニメも終わってしまっているし、話題の動物は辞めたほうが良さそう、という話をしていたのですが、偶然これが選ばれました。

本の内容の紹介

裏表紙の紹介はこんな感じです。


本書はHTTPに関する技術的な内容を一冊にまとめることを目的とした書籍です。HTTP/1.0、HTTP/1.1、HTTP/2と、HTTPが進化する道筋をたどりながら、ブラウザが内部で行っていること、サーバーとのやりとりの内容などについて、プロトコルの実例や実際の使用例などを交えながら紹介しています。 GoやJavaScriptによるコード例によって、単純なHTTPアクセス、フォームの送信、キャッシュやクッキーのコントロール、Keep-Alive、SSL/TLS、プロトコルアップグレード、サーバープッシュ、Server-Sent Events、WebSocketなどの動作を理解します。 これからウェブに関係する開発をする人や、これまで場当たり的に学んできた人にとって、幅広く複雑なHTTPとウェブ技術に関する知識を整理するのに役立ちます。HTTPでは日々新しいトピックが登場していますが、本書によって基礎をしっかりと押さえることは、さまざまな新しい技術をキャッチアップする一助にもなるでしょう。

目次はこんな感じです。

  1. HTTP/1.0 のシンタックス:基本となる 4 つの要素
  2. HTTP/1.0 のセマンティクス:ブラウザの基本機能の裏側
  3. Go 言語による HTTP/1.0 クライアントの実装
  4. HTTP/1.1 のシンタックス:高速化と安全性を求めた拡張
  5. HTTP/1.1 のセマンティクス:広がる HTTP の用途
  6. Go 言語による HTTP1.1 クライアントの実装
  7. HTTP/2 のシンタックス:プロトコルの再定義
  8. HTTP/2 のセマンティクス:新しいユースケース
  9. Go 言語による HTTP/2、HTML 5 のプロトコルの実装
  10. セキュリティ:ブラウザを守るHTTPの機能
  11. クライアント視点で見るRESTful API

内容としては、HTTP/1.0、HTTP/1.1、HTTP/2というおおざっぱな期間ごとに次の3つの章を繰り返してその時期に登場した技術のトピックをいくつか紹介し、最後にセキュリティとRESTfulの章が追加されている感じです。

  • HTTPのシンタックス
  • HTTPのセマンティクス
  • 実際にコードを書いて試してみる

実際にはHTTPのバージョンは時期的な目安なので、そこまで厳密ではありません。消化不良にならないように読みやすく分割するための分け方です。人間の記憶はエピソードとともに知識を固定する方がやりやすいので、そういったことを心がけています。普通のHTTPのプロトコルの技術的紹介だとなかなか詳しく紹介されないであろうトピック(TLS、認証/認可、セマンティックウェブのその後、セキュリティを守るためのブラウザ技術)についても、多くの方々の強力なバックアップのもとに概要をきちんとつかめるように書きました。

アプリケーション開発だと、ウェブに関係しないシステム自体がだいぶレアになってきているので、かなり多くの人に末永く参考にしていただけるのでは、と思っています。CGI時代やJ2EE初期時代に学んだ人も、その後の知識のアップデートに役立てていただけると思います。最新のブラウザの機能(セキュリティのヘッダーとか)も、過去の経緯や機能を踏まえて追加されることがほとんどです。一通りきちっと学ぶことで、今後出てくるトピックを追いかけるのがとても楽になるはずです。「読める!読めるぞ!」とムスカになったような感動が味わえるはずです。

後は、書いていてワクワクしていたポイントは、HTTPまわりの仕様にはさまざまなエンジニアリングの創意工夫があることです。後方互換性を維持するしくみとか、サーバー・クライアントでベストな選択肢を選ぶ方法、効率の改善。こういうところに着目して読んでもらえると(上級者には)楽しいと思います。

なぜ書こうと思ったのか

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2017年05月01日

高校生からはじめるプログラミングを献本でいただきました

大学のサークルの後輩の吉村総一朗(当時呼び捨てで呼んでたと思うので、あえてこのまま敬称略で書きました)から、高校生からはじめるプログラミングを献本でいただきました。ありがとうございます。

IPを使った表紙、フルカラーの本文、高校生どころか老眼鏡を使うような人でも読みやすそうな大きな文字、「(」の記号の入力の仕方から教えるような今まで無かったというか、小学校入学前の子供をターゲットにしたたのしいプログラミング Pythonではじめよう!(ただし原著。日本語は漢字や英語の習熟の問題もあって中学生以上がターゲット)の方がストイックなぐらい。こんなにコストがかかったプログラミングの本は見たことがないです。その徹底ぶりが評価されてか、Amazonのランキングでも上位に常駐しているようです。羨ましい限りです。

内容としてはHTML/JavaScript/CSSを入力してブラウザで動かしてみよう、というノリです。かつて僕が衝撃を受けた、ラベルをウインドウに貼り付けることでコードを一行も書かずにHello WorldができてしまったVisual Basicに近いアプローチです。関数とかメソッドとかクラスとかそういうのはどうでもよく、まずは動くものを表現して、徐々に新しいオモチャを提供していくスタイルです。今日ではコードスニペットを利用することも多く、Twitterのボタンを作ってみる下りはそういった操作の紹介もされています。

どこまで初心者に配慮すべきか問題と体育の授業

「チュートリアルの記事を公開したり、インターネットで困っている人を助けるといった活動はどこまでやるべきか」というのを議論したことがあります。個人的には初心者に対するサポートという意味ではオールインワンのインストーラでWindowsユーザーでも安心だし、ドキュメントにはコピペ素材が満載のPHPというのが1つのベンチマークだと思っていました。ツールやライブラリもPHP並に初心者をファシリテートしてあげるのが大切だと思っていました。僕がドキュメントツールのSphinxのコミュニティを作ったり、Pull Requestを投げたりするのも、こういった考えからです。

しかし、そこまでモチベーションが高くなく、質問ばかりしてチューターのやる気を削っていくような人もいます。そういう人は放置すべき。千尋の谷から突き落として這い上がるやつができるやつ、みたいな考えを持っている人もいます。コミュニティ運営やドキュメント整備などを行う人のリソースの少なさを考えると、残念ながらこうせざるを得ない言語やフレームワークのコミュニティも多いかもしれません。僕もPHPを基準に考えていますが、そこまで来られなかった人は残念ながらそれ以上のサポートはちょっとムリと思っています。

しかし、子供の頃に体育の授業が苦手で体を動かすことが苦手だったけど、オトナになってボルダリングをやってみたら楽しかった、インラインスケートをやってみたら楽しかったといった体験をする人が増えています。サッカー、野球のようなスポーツではなくて、マイナースポーツ系のコミュニティに行くと「元運動嫌い」のオトナはたくさんいます。千尋の谷方式というのはこの体育の授業のようなものです。「人と比べられるのが嫌なだけで体を動かすのは嫌いじゃない」人にもまんべんなく「楽しんで継続してもらう」ことはリソースが少ないとできません。これは授業が悪いというよりも少ない教師数で30人、40人の生徒を教えるというリソースの少なさが問題です。実は才能があったかもしれない子供が早期にあきらめてしまうといったこともあったかもしれません。

この本は自習できる書籍という形で提供されており、さらに豪華な装丁で「コンピューター怖い」という人にも優しくアプローチしてくれると思います。小学校からプログラミングを、みたいな話もあります。Scratchとかになるとは思いますが、当然中学、高校と学年が進めばより実用言語の方向に進んでいくでしょう。現状のリソースでは体育の授業の「運動嫌いのオトナ」が量産されていく可能性の方が強く、個人的には子供のころからのプログラミングの授業導入はどちらかというと(僕も運動嫌いだったので)反対でしたが、こういった本が増えて、自習できたり、授業外で親が教えたりといったことで落ちこぼれない仕組みができるならもしかしたら悪くないのかもしれない、と少し思いました。

個人的にはアスキーでやっている連載のように少し自分の実力よりも背伸びした内容で、自分の好奇心も満足させながらじゃないと一冊分の集中力は続かないので、この本のような本は僕には書けないなということもあり、著者の努力はすばらしいと思います。

「献本は誤用でご恵贈が正しい」みたいなのも見かけますが、誤用とか勘違いが広まって文化になる、みたいなのが好きなのであえて献本にしました。「けんぽん」。声に出すとかわいい日本語。

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2016年12月20日

passiveな#kaneの話

これはPySpaアドベントカレンダー2016の20日目のエントリーです。19日目はPySpa界で圧倒的な存在感を誇るしうまちでした。

知人にジブラルタ生命の人がいて、その人の紹介で契約件数でトップの方を紹介してもらい、保険の見直しをしました。

渋川家の戦略

ゲームでも投資でも勝ちに行く、負けないようにする、この2つのどちらを選ぶかで指し手は変わってきますよね。 節税とかあんまりわからないし、投資で大儲けとかも興味ないというか、お金のこと考え続けるのはあんまり好きじゃないタイプなので、 基本路線としては、家族全員が路頭に迷わない==負けない方向で考えています。 勝つ方向に興味ある人は、r_rudiさんの #kaneの話 の方が面白いと思います。

会社でサポートされるケースも多くあります。昭和からある大企業に努め続ける前提なら、退職金とか会社の提供する財形とかいろいろあります。 該当するならそれに乗っかってしまえば考えることは少なくて済むでしょう。関東IT健保に入っていれば医療保険もいらないです。 でもまぁ、同じ会社に入る続けるかどうかも分からないし、大手に入っても業績が安定しているとは限らないし、年金は出ないという前提で、自衛のために生命保険でバックアップを組むことにしました。

嫁の医療保険は、お義母さんが入ってくれてくれているのがありましたが、それも今回引き取って、こちらで全部やるということにしました。

生命保険とは

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posted by @shibukawa at 01:20 | TrackBack(0) | 日記 はてなブックマーク - passiveな#kaneの話
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